『ありがとう』をたくさん伝えた 三月。
もらったものは、沢山あるのに、その場所に、自分が残せたものは、果たして あるのだろうか…と 思い返した 三月。
毎日が大切だった 三月。
いつも、元気良く ちょっぴり強がりな少年が、まっすぐな目をして 必死に涙をこらえていた。
『ずっと黙っていて、ごめんね』
そう思うと、胸の奥が チクチクした。
その後、少年は そっと側に来てくれて ポロポロ泣いてしまった。
とっさに ギュッと 抱きしめて とうとう私も涙が止まらなくなった。
『ありがとう』
ずっとずっと 忘れない。
忘れられても 忘れないよ。